バックナンバー

[←まえ] [もくじ] [つぎ→] [にゅう] [とっぷ]

2005/11/4(金) 文化的な文化の日


 
 
 
 
 
去年の文化の日は、例のアレだった(笑)。


ナビスコ杯決勝戦の日で、
早朝から子供たちをたたき起こして
一緒におむすびを握らせ、
始発こそ逃したものの、そんなに早い電車に乗ったことないくらい
朝早い電車に乗って国立を目指した。

日当たりのいいバックスタンドで半日を過ごし、
ウソのような結末に酔いながらAスタまで凱旋。
あとはもうよく覚えていない。




世間一般的にはどうであれ、どうでもいいそんなことは。
自分自身のフットボール文化的に
東京の初タイトルは一大事だったのだ。








そして、一年後の文化の日。

東京のスケジュールにナビスコのナの字もなく、
しかも決勝戦は文化の日ではなく、明日11月5日。







金曜日夜に通っている代々木での劇リハーサルを終えて、
1年と1日前に国立を目指した時に乗ったのと同じ大江戸線に乗り、
母の待つ待ち合わせ場所へと向かったYとK。


彼女たちがその車中で見たのは・・・・










ニットキャップを目深にかぶったマスシマと
その「お友達」だったそうだ(苦笑)。




・・・・てか、↑その「お友達」も
多分、東京の選手だと思うぞ、オイ(笑)。



マスシマより少し背が高く、
茶髪(金髪?)で、
地味な顔立ちで、目が小さくて、
でもシオタに携帯かけるような人。
で、YとKが顔を見ても誰だかわからない人(苦笑)。



だ〜れだ?












ま、そんなヨタ話はさておき、


今年も今年で、我が家のフットボール文化的には
1つのピークとなった文化の日。



良くも悪くも、その一日からYが学ぶことは多かったはず。


先々、スルメのように何度もかみしめることになるような一日の話を
しばらく書いてみようかと思います。










2005/11/10(木) エ代表効果

 
 
 
 
 
 
日本の蹴球を牛耳る巨大なモンスターに噛みついてみたが、
全く歯が立たなかった。

その怪物はあんまりおいしいものではなく
皮も相当に分厚いので、
食らいついた歯形が残せたかどうかも不明だが、


自分達のアゴの力が少しは強くなったと思う・・・・。








・・・・そんなことをしていたので
Yの試合の話を書く余裕がなかったのだけれど、
文化的な文化の日のAZMに、話は巻き戻る。









1回勝つと次は準決、という
なんとも微小なトーナメント戦ではあるが、
立派なメダルやトロフィーもかかっていたりして
それなりに本気モードで取り組んだ秋のローカル公式戦。

AZMが準決で対戦するのは
あの超強豪、BBBだった。




自慢じゃないが、AZMはここ数年来BBBに勝ったことがない。


BBBのサッカーは、走るサッカーが基本だ。
選手一人一人がドリブルで仕掛けることに総じて長けており、
プラス、スペースに出して味方に走り込ませるのがスタイルだ。

もともと運動能力の高い、足の速い子が多いような気もするんだが、
それを走らせるから、なかなかコワイものがある。

加えて、数名の上級生達
・・・・この夏、A島へ一緒に遠征しに行ったエ代表のお仲間達・・・・には
サッカーのセンスもあり、
さらにその中でも特に32番と35番はズバ抜けて上手い。

35番にいたっては、ズバ抜けすぎてしまって
ついには前述のモンスターの目にもとまった。
そやつが経営するサッカー学校に取り込まれそうな勢いで
ズバ抜けてしまったのだ!

おかげ様で、AZM対BBBの準決の日、
肝心カナメの35番は、モンスターのところへ出張で不在。
モンスターよ、ありがとう! だ(苦笑)。
AZMにとっては、この日こそBBBに勝つ2度とはないチャンスだ。




ひと夏を一緒に過ごした仲なので、
エ代表に入っていたYたちは
以前より相手の手の内が解るようになっていた。

前は漠然と「コイツら、うめー!」と思っていただけだったのが、
それぞれのプレーのクセまで読めるようになっていたのだ。

だから、及ばずながらもマッチアップするYが
いかに35番に仕事をさせないか、が
この準決勝戦のキーになるはずだった。

ところが、35番がいないとなると
BBBの配球係兼切り込み隊長がいないわけなので、
Yの負担は格段に減る。
あとは32番をどうにかするのみだ。



そうは言ってもBBBは決してあなどれない。
Yのようなそこいらへんのフツーの女の子を集めただけのAZMを
ラクに勝たせてくれるワケがない。
35番がいないからといって、
あの走るサッカーに勝てる気は全然しないのだ。




そこで、HYコーチがクチから出まかせに与えたカンフル剤は
もしもBBBに勝ったら、彼女がTDL入場券をAZM全員におごる
という1日遠足プランだった!

YのようなDギライには全く意味のないカンフル剤だが、
話題としてはオモシロかった(笑)。

Let's go to TDL! のかけ声(シャレ)のもとに、
少しぬれた芝のピッチに、YたちAZMは飛び出していった。






ある部員の父がビデオを撮っていて、
こないだ家でそれを見たら
試合前の整列のときに、Yはヘラヘラ笑っていた。

「なに笑ってんの?」と聞いたら
「キャプテン同士の握手のときに、32番ちゃんと
 手を握りあうのか、と思ったら笑えた」とY。

確かに、32番も照れくさそうに笑ってらー。
あんたら、なんだかいいよねぇ(苦笑)。







そして、キックオフの笛が鳴る。
TDLのかかった戦いが始まった(笑)。





予想通り、試合は終始BBBに押されまくっていた。


が、35番の不在がきいたのか、
一学期に対戦したときに比べて、少しは
AZMのいいところが出せたんじゃないだろうか。

Yも集中してよく守っていた。
相手がかけてくるフェイントのタイミングが判るらしく、
一発で簡単に抜かれることが少なくなっていた。
エ代表の収穫が、こんなところにも(苦笑)。


前半0−0は予定通りだった。
前回の対戦でもそれはそうだった。

が、問題は後半だ。
Yのスタミナ切れで、前回は彼女のところでやられた。




が、今回は後半も0−0。
泥臭く、とにかくゴールを決めさせなかった。
初めての快挙だ!





・・・・というワケで、PK戦で勝敗を決することに。
AZMが先攻となった。


で、ヘコヘコ出てきたのがY。
(母親、「きゃー、やめてー」と絶叫。)
キャプテンが1番手だ。
責任重大だ。





・・・・でも実は、YはPKにもともと自信を持っているのだ。


FCTで2年前、男子の中でPK練習をした時に
連中がバンバン蹴ってはキーパーに獲られまくっているのをしり目に
Yたち女の子は、ていねいにインサイド・キックで
コースをついてゴロで決めていた。
要するに、GKにとって一番取りにくい隅っこへ転がすのが有効であることを
Yたちは既に知っていたのだ。



HYコーチが選んだ5人は
5人ともFCTの女子部員だった。
ここは、FCTで自信をつけさせてもらったことに
大いに感謝する場面だ。







1本目。

Yは1番手の役目を無事に果たした。
ゴール左ポストにギリギリあたらない上方を
ボールは通過していった。
キーパーに入っていた子も動けなかった。


以降、4番手までのAZMは
いずれもGKには取れないだろうギワギワに決めた。
枠をはずさなかったのは偉かった。



PK戦に弱いと言われているBBB。
確かに2番手がポストの外側にゴロを出し
命拾いした。

そして4番手の32番ちゃんが、
絵に描いたようにGK正面に蹴ってしまった。


試合終了!


PKだろうがなんだろうが、
初めてBBBに勝ったのだ!!

スタンドは驚喜の渦に巻き込まれていた。










あとになって、Yはこう言った。


あのキーパーの子はね、すぐあきらめるんだよね。
ポストのほうにボールがいくと
あきらめちゃって横には飛ばないんだよ。

それが解っていたから
蹴る子にはポストぎりぎりに蹴るように言っといたんだ。






あぁ、ホントにエ代表効果は絶大だわ(笑)。








そんなわけで、AZMはTDLへのチケットをゲットした。
Yは、それはあんまり嬉しそうじゃなかったけどね(笑)。






お次は金メダルをかけた戦いだ。


・・・・つうか、それって本来の目標(苦笑)。










2005/11/12(土) 肉化東京

 
 
 
 
 
AZM、秋のローカル公式戦、決勝戦。



強豪BBBを倒した、同じ芝のピッチで
今度はEEEを迎え撃つ。



自慢じゃないが、今季のAZMはEEEにも勝ったことがない(苦笑)。




じゃぁ、ぜんぜんダメじゃん、と思うかもしれないが、
そうなのよ。ぜんぜんダメなんである(笑)。



それでも、地域の中でAZMはそんなに弱いほうでもない。


ダントツ1位がいつもBBB、
だいたい2位がいつもEEE、
たまには入れ替わるが3位がいつもAZM、というのが定番化している。

AZMは、たまには2位になり、
たまには全然勝てなかったりして、もっと順位を落とす。
このローカル大会でも、もう少し広域の第2エリアでも、
およそ同じような結果になぜか落ちついちゃうのだ。





それでも、ダントツに強いBBBはともかくとして、
2番手のEEEに負け続けていることに
HYコーチは怒り心頭なのである。


その理由は、主にEEEのサッカーの中身にある。




EEEは体の大きい子が多い。
脚を振ると、ぼっか〜ん! とよく飛ぶ。
えてして中盤省略のサッカーになる。
ペナルティ・エリア外からでも、あの子達が脚を一振りすると、
ちょうどいいループがゴールに入っちゃったりするのだ。


キックは飛ぶ。が、パスは下手。
BBBのように走りまくるわけでもなく、
重戦車のような体当たりではね飛ばされることも多い。
それなら、単に相手がファールを取られるだけだが
そこまで接触してプレーすることに慣れていない子達は
恐がってしまって逆にいいようにボールをかすめ取られてしまう。




ボールを持って、短いパスをつなぎながらリズムを作る
042式のサッカーを志向するHYコーチが、
そんな中盤省略のEEEのサッカーにつられて
GK同士のキックがペナルティ・エリア間を行き交うような試合を
ヨシとするワケがない。


相手のペースに乗らないようにするには、だが
子供たちの意識をかなりコントロールしないとならない。


飛んできたボールを納めて自分のものにする。
そこから、パスをつなぐなり、ドリブルするなり、
マイ・ボールの時間をどれだけ連続して持てるか。



EEEとの決勝戦は、そのあたりがポイントとなるはずだった。









当然、EEEにもエ代表のお仲間がいる。
今回も、相手キャプテンの10番ちゃんと
笑いながら何やら言葉をかわして握手をしてから試合に入るY。





が、EEEにしてみれば
AZMが準決でBBBを倒してくれてラッキー! と思うのは当然だった。

なにせ、いくらカナメの子が不在とはいえ
EEEにとっても今まで勝てたためしのないBBBを相手にするより、
今まで負けたためしのないAZMを相手にするほうが
絶対にラクだ。

AZMが勝ち上がってきて、EEEは楽勝ムードになっていたに違いない。





そして、残念なことに
その楽勝ムードは、試合時間が進むにつれて
リアリティを強めていったのだった。



開始早々、やはりEEEはいつもどおり蹴ってくるサッカーを展開。
それでも、WボランチのもんちゃんとYが
ぼっかんサッカーの芽を摘むべく奮闘するが
相手10番の体に押し込まれて
Yが中盤でボールを失うシーンもある。


そして5分くらいのこと。
いつものように、ペナルティ・エリアのかなり外から
一瞬コースが空いたスキを見逃さずに
10番はゴールに向かって大きく蹴る。


そして、いつものように
大きなループはゴール上方の、
GKかなんちゃんの手の届きようもないところへと
吸い込まれてしまったのだった。


笛が鳴る。
早い時間に0−1のビハインドになってしまった。







BBBに勝ったのだから、
こんな時にこそ優勝せねば! と意気の上がっていたAZMだったが
何回も繰り返されてきたこの光景には
さすがにガッカリしてしまったようだった。


またコレかよ・・・・
今日もこのサッカーに勝てないのか?




・・・・という空気がAZMに流れる。
そこをすかさず、攻め込むEEE。


守備が後手に回ってしまう。
そうこうするうちに AZMのゴール前で
短いピンボールの状態が発生。

DFのクリア・ミスやら
GKとのミスコミュニケーションやら
AZMのエラーが重なる。

あわくるタコ足の間から
がちゃがちゃっとゴールを割られてしまった。

もう一度、笛が鳴る。




続けざまに2点を失ったAZMは
すっかり気落ちしてしまっていた。













が、前半の早い時間帯に2点を失っても
あまりペースの変わらないのが1人いた。



これまでに、スタジアムで繰り広げられるのを何度も目撃した
「2−0でも勝てない」という記憶が、
逆の意味でYの中に肉化していたのだったら嬉しい(苦笑)。









2失点のあと、1分経つか経たないかのうちに
敵陣ペナルティ・エリアに入るか入らないかの
中央の位置でボールを持ったYは、
ディフェンスに来た相手10番をかわすやいなや、シュートを放つ。

Yのミドル?は、ウソのようにゴール隅に飛んでいった。



いきなり1点獲って自陣に戻ってきたキャプテンYを、
うっかり「かっくイ〜ッ!」と思ってしまった。
不覚だ(笑)。





当然、このゴールで奮い立ったAZMは
1点差を追うべく、果敢に攻め込み
試合は急に好ゲームの様相を呈してきた。

EEEを相手に、初めて中盤勝負の試合に持ち込めたのだ。





そして、前半終了間際。
いりんちゃんの粘りで得た右CK。
ルーティン・ワークのようにYがボールをセットする。



Yの蹴り方はちょっとヘンだ。
「シュンスケみたい」と言えば聞こえはいいが
なんだか体のバランスが崩れてるような蹴り方をする。
あれでいいものか、ダンナさんは気にしているが
とりあえず今はその、自己流の蹴り方で行くしかない。





そのヘンな蹴り方でYの蹴ったCKは
きれいな弧を描いてゴール前に落ちていく。


野生の勘でサッカーをしているとしか思えないFWくりんちゃんが
落下点にインサイドを出したら、
ストーンときれいなキックになって
相手GKをかすめて入っちゃった!




またまたどよっ!と沸くスタンド。
2−2のイーブンに返して、前半終了。









この後半に勝負がかかる。
追いついたAZMが、元気よく再びピッチに散る。





後日、HYコーチから
この試合のビデオを見た感想を聞かされた。
曰く、



あのハーフタイムにね、Yに
FKのことを指示したんだ。

前半のFKの時に、EEEの子たちが作る壁が近すぎて
そのまま蹴っちゃったことがあったのよね。

(あー、あったねー。アタシも気がついたよ。
 見事にぶっけてたよねー。)


それで、ハーフタイムの時に
ああいう場合は、審判にアピールして壁を下げさせるように
Yに言ったのよ。
もちろん、壁ができる前に早いリスタートをかけるのも
1つの方法だけれど、ってね。


そしたら、後半になって
FKの時に、壁を下げさせた時もあれば
すぐにリスタートして攻めた時もあったのね。


普通、AZMくらいの小学生の女の子だと
コトバでいくら言っても、多分そんなこと
ハーフタイムの指示くらいでは分からないと思うんだよね。

でも、Yはやっぱりたくさん試合を観ているから
言われたことが、すぐに場面として思い描けるんだと思うのね。


同じサッカーが好きな子でも
観て知っているものが多い子、
ビジュアルの蓄積が多い子は違う、とつくづく感じたわよ。










もしそうだったら、嬉しい。

スタジアムでロクに試合を観てないだろ? と思うけど
(で、実際にたいして観ちゃいないんだけど)


フットボールでは
いろんなコトが起きる、ということを
知識ではなく、目で見て肌で感じて体で表現できたら



ウチの教育は、間違っていなかった、と(苦笑)。













苦しいこじつけの教育方針はさておき、後半戦。



緊張感のあるゲームが続くけれども
多分、相手も10番とYの競り合いがキーになると見たのだろう。
中央にいるYのマークが前半より厳しくなる。

そうこうするうちに、Yのところで当たり負けして
10番にボールを取られる場面が増えてくる。
こうなると体力負けだ。
体ができている子達のほうが、なにかと有利だ。


そうでなくても、
数時間前にはあの走りまくりのBBBを相手に
PK戦までもつれ込むという緊張と運動量を強いられ、
今また、決勝戦という大舞台で疲れが目に見えてくる時間帯。




やはりエ代表のお仲間だったもう1人の子が
例の、遠くからの一発キックを連発するようになってきた。

そして、
我も!と蹴ったボールが、またまたGK頭上に吸い込まれる。



改めて、1点のビハインドを背負い込んでしまった。




今度はもう、あんまり時間がない。
あぁ、やっぱりYたちはEEEに勝つことができないんだろうか?
このままEEEに負けちゃうんだろうか?


スタンドからの歓声が、だんだん悲鳴っぽくなってきた。






さすがの自分も、もうダメかな? 
と思い始めた残り2分を切ったくらい。



攻め込まれてアップアップの自陣ペナルティ・エリアから
苦し紛れにはんちゃんが蹴ったクリア・ボールが、
どうにかセンター・ラインを越える。

ずい分押し込まれていたようで、
相手陣内にはバック2人しか残っていなかった。
FWくりんちゃんも残っていて、
ボールのおいかけっこになる。


くりんちゃんは、Kのクラスメートでもあるけれど
かけっこならお手のモノだ。
今年の運動会でも、男女ひっくるめて一番速いグループで走り、
背の高い男子も抜いて1等だったりするような子だ。


小さな体で、相手DFの脇をすり抜け
一番ボールに近い位置まで猛ダッシュするくりんちゃん。

戸惑う相手GKが、少し前に出てきていたところを、
でも、多分
彼女は確認してないんじゃないだろうか。


野生児くりんは、本能のおもむくまま
ボールが落下してバウンドするかしないかのはね際に、
右足のアウトをかろうじてひっかけた。

ぷわ〜んと浮いたボールは、
これまたウソのようにバーの直下をどうにかくぐる。





助かった。
まだ試合は終わってない!







決勝戦は、いきなりPK戦にはならない。
10分ハーフの延長戦をやる。



が、押し問答をするような延長戦では
両者とも得点できなかった。



というわけで、またもやPK戦に突入する。







これは、さっきBBBとPK戦をやって勝ったばかりのAZMにとっては
有利な展開になってきた。




今回もAZMが先行、Yが1番手だ。

さっきと同じところに蹴っとけ、みたいなカンジで
Yは余裕でゴール。
たいしたもんです。



相手の1番手も、キャプテン。10番ちゃんだ。

彼女の強力キックにとっては、ポイントは近すぎた。
枠を捉えることができなかった10番ちゃんは、
その場でもうくずおれて号泣を始める。



これはAZMにさらに有利な展開になってきた。
オーダーはさっきと同じで、2番目に蹴るのはまなんちゃん。


・・・・が、緊張感からか疲労からか
まなんのキックも、ポストの外側を通ってしまった。

センター・サークルに戻ってきたまなんは
べそべそに泣いていた。
Yが自分の隣に彼女を座らせ、肩を抱いてなにやらなだめている。



気を取り直したEEEの2番手は、エ代表のお仲間だ。
彼女は落ちついて、GKかなんちゃんの手の届かないところに
上手く蹴り込んだ。

これで、1−1の同点だ。



次はくりんの姉、はんちゃんだ。

はんちゃんは、その柔らかい上体をくねっとひねって
ポストすれすれを狙ったインサイド・キックで転がした。

あれは、捕れない。2−1。


相手3番手は、10番ちゃんの号泣を背中に聞きながら蹴るが
やっぱり枠を捉えることができなかった。2−1。



AZMの4番手は、いりんちゃん。
何も考えずにさっさと蹴ってゲット。3−1。



相手4番手に、これはかなりのプレッシャーだったに違いない。
ミスキックがGKかなんちゃんの手に収まる。





確認作業のための間をしばらくおいて、
主審の長〜い笛が鳴る。




長かった。
やっと終わった。


・・・・優勝だ!


















初めて、姉妹でおそろいの金メダルをもらった。




もちろん、Kはほとんど何もしてはいないけれど(苦笑)、

それでも
こういう時ばかりは姉や友人の偉大さを直視するしかない。







後にも先にも、多分これが唯一の、
おそろい金メダルだろう。




それぞれの想いで、大切にとっといてネ!




















2005/11/13(日) 発信するY

 
 
 
 
 
 
 
 
決勝戦でPKをはずして泣く
チームメイトのまなんちゃんをヨシヨシしながら、
仲間のゴールを見守っていたY。


・・・・姉というものは、ヨソのちび子には優しいもんである(笑)。





楽勝ムードから一転、自ら招いてしまったPK負けに
EEEの10番ちゃんの号泣は止まらなかった。

他にも数名の女の子達が涙をふきふきどうにか整列する。
あいさつをする2チームは、見るからに明と暗だ。


それぞれがベンチに向かう途中、
Yは、泣きやむことのできない10番ちゃんに
ハグをした。


・・・・アンタ、いつから西洋人?(苦笑)










そうして、なぐさめるYは
さらに数時間後、
今度は自分が泣くハメになったのだった。






















そもそも、日程の組み方は間違っていた。



BBB、EEE、AZMの3チームは
この時期、2つの公式戦を戦っていた。


片方が、AZMが優勝した秋のローカル大会。

もう片方は、都大会までつながっている、
6年生にとっては実質最後の公式戦となる大会の
第2エリア予選だ。




第2エリアからは例年、上位3チームが都大会に行く。
今年は、エリア内を2つのグループに分け、
総当たりのリーグ戦をやった。
各グループ・リーグの上位3チーム、計6チームが
決勝トーナメントに進み
都大会への3枚の切符を争うのだ。




文化の日までの時点で、
グループ中2位以内を決めていたAZMは
あと残すところ1試合。
これを消化して決勝トーナメントに進むことになっていた。


が、この残る1試合というのが
またまた(たまたま?)EEE戦だったのだ。



AZMとEEE、直接対決で勝った方が
その先のトーナメント戦でシードに入る。
シードに入る、ということは
決勝までBBBに当たらないで済む、ということでもあったので
リスクも減るし、かなり都大会に近づけるのだ。





・・・・という星勘定は、でも
ローカル大会で優勝した直後で
疲労困憊もし、集中力が切れているAZMの
モチベーションにはなりえなかった。


逆に、決勝戦でAZMに負けたばかりのEEEは、
リベンジに燃えていた。
動機づけに、ムリはない。




そもそも、だから
ローカル大会の準決勝以降4試合と
第2エリア予選グループ・リーグ終盤戦を
同じ日に片づけようというのが、間違っていた。




主管の違う大会だから、仕方ない面もある。
それぞれのグランド事情、日程消化事情もある。

が、1日に本気の試合を3つやれ、というのは
どうにもキツイ、と思った。










すばらしい芝のピッチから3チームは移動し、
第2エリア予選の会場へと向かう。


ローカル大会のフィールドはそこそこ広かったが、
今度は普通の学校の校庭、しかも
高学年の試合をやるには寸詰まりでちょいと狭いところだった。

かなり面積がちがう。
その中に同じ22人が入る。
空間の感覚が、さっきまでとは全くちがう。



芝ではきちんと機能していたAZMの2ボランチ+3バック+スイーパーは、
押しつぶれてほぼ横一線になってしまう。
タテの関係がうまく修正できず、
誰がどこまで、の受け渡しがほとんどできない。

人数はいるのにものすごいザルの状態になり、しかも
広いピッチでもエリア外からどんどん蹴り込んできたEEEだから、
もう好き放題に撃たれまくる。


それで、失点するな、というのは無理だ。
大量失点こそ免れたが、
さっきの今、でYは完全に封じ込められ
流した悔し涙の分だけ勢いのあった10番ちゃんに完敗だった。








試合終了後、珍しくYは泣いていた。
・・・・というか、負けて泣くのは初めて見たような気がする。


ミーティング中、ずーっと自分の腕に顔を埋めて泣くYに、
コーチ達は「よくやった」としか言わなかった。



あとで
「運動量がぜんぜん違いましたもんね、EEEと」
とCLコーチに声をかけたら、
「Yの負担が、重すぎちゃいましたね」
と彼女は答えた。
















サッカーの実力的には全くと言っていいほどかけ離れている
第2エリア代表チームに、
Yの「声」もしくはコミュニケーション能力?を見込んで
彼女を入れてくれたNPコーチには今も感謝している。


しばらく一緒に練習を重ねたある日のこと。
選手たち自身にそのエ代表チームのキャプテンを決めさせたら、
BBBの32番ちゃんの他にYの名前も数名から挙がった、
とNPコーチからは聞いている。


レギュラーにもなれないYをキャプテンにしちゃぁマズイだろ!
と爆笑した。
もちろん、子供たちもそこまでバカではないので(笑)
32番ちゃんをキャプテンにして丸くおさまったのだった。


が、このエピソードだけでも
実力で劣るから、と萎縮することなく
いつもどおり、アネゴ肌でやりとおしていた様子が
なんとなく感じられる。


それが、あの号泣10番ちゃんへのハグや、
32番ちゃんとの照れ笑いの握手や、
負けて泣く姿につながっているのだろう、と思った。





他人の中で、自分を出せる。



そのたった1つのことだけでも
この子にサッカーをやらせてよかった、と
心の底から思えた。























後日、まなんちゃんのお母さんからメールをもらった。




PKをはずして落ち込んでいたまなんに
Yちゃんから励ましのお手紙をいただきました。

まなんは、そのお手紙をお守りのように
サッカー・バッグの中に入れてます。

ありがとうございました。













アタシ、知らないし(苦笑)。

自分だって泣いてたクセに、ねぇ。








・・・・てな具合に
Yは、ヨソの子にだけは優しいのだった。






















2005/11/14(月) ギャラリー

 
 
 
 
 
 
 
実は、AZMが優勝したローカル大会の会場では
ちょうどFCT5の5年生大会、準決勝戦以降もやっていた。


AZM対BBBの準決直後に、同じピッチでFCT5も準決。

両者とも勝ったので、次の
AZM対EEEの決勝直後もまた、同じ場所でFCT5の決勝戦だった。





本来、自分のところの試合が終わったら
「後審」で次の試合の審判を2人出さなくてはならない。
原則的に、勝ったチームから主審と4審、
負けた方から2人の副審を出す。



ローカル大会2試合とエリア予選1試合、計3試合の審判を
この日AZMは調達せねばならなかった。

ということで
くみんちゃん父と前年度までAZMのコーチだったAKコーチが
黒ジャージを用意してきてくれていた。



本来なら、彼らの負担を減らすために
自分も旗くらいなら振ろうと思って心構えはしていたのだが、
次の試合がFCTの試合では
あまりにも身内で縁が近すぎるので遠慮したのだった。









そのようなわけで、
スタンドにはAZMとFCTの連合のような一角ができていた。


しかも、この日
YのチームメイトたちFCT6の連中は
低学年に校庭を譲っていて、夕方までヒマだった。
どうせヒマなら、1つ下のFCT5の公式戦を応援に来い!
と召集がかかっていて、
おかげサマで、Yたちもついでに応援してもらえたのだった。



もひとつついでに、FCT5についても
普段と違う状況があった。

彼らは、ここまで公式戦でほとんど勝ったことがなかった。
交流戦をやっても、めったに勝たない学年だったが
そのせいもあってか、
逆に母親たちが熱いことで有名な学年でもあるのだ。

そのFCT5が、なんとベスト4に勝ち上がっているのだ!!
彼女たちがフィーバーしないワケがない。

これまでに数回しかない「勝ち試合」の時に身につけていた
勝ちT、勝ちタオル、勝ちバッグ、勝ち帽子から勝ちパンツ、勝ちブラまで
ありとあらゆる好材料を取り揃えて
万全の応援態勢を整えていたのだ(苦笑)。


そんな学年のベスト4だから、
監督さんも鶴の一声を発して
手の空いているコーチ陣も全員出動態勢で
FCTの大応援団ができていたのだった。




AZMは、だから半ば露払いのような役目も担っていた。
Yやくりんちゃんのシュートに
スタンドが文字通り「どよっ!」と沸いたのは
そういう想定外の状況もあるからなのだった。








が、どんなに身内のギャラリーが多かろうと
最もYのアドレナリン分泌に作用したと思われるのは、
FCT6の連中がその場に来ている、ということだ(笑)。


キャプテン・マークをつけたYが、
彼らの前でいいところを見せようと
はりきらないワケはなかった。













狂騒的な文化の日の翌日。


学校で、FCT6のヒー太、ナー太とYの会話。





ヒー: あのコーナー、あれ、きれーなキックだったよなぁ。
    はんの妹が合わせて決めたヤツ。

ナー: あー、あれはカッコよかったよねぇ。
    あれ蹴ったの、くみんとかいうAZM小の子だったっけ?

Y: (憤慨して)あれはウチ! なに見てたんだよっ!!

ナー: ・・・・どーってこと、ないよなぁ。

ヒー: うんうん。ないない。カッコよかない。





つーか、あんたら、ホントになに見てたん?(苦笑)








そんなワケで、Yのハリキリもガンバリも
実はあんまり彼らには意味がなかったのだった(笑)。

















ところで、
涙を流しながらYたちAZMの決勝戦を応援してくれた
FCT5のお母さん方。

もうAZMの延長戦〜PK戦の流れの中で
すっかりデキあがっていたので、
実際の息子たちの決勝戦でも、相当盛り上がっていた。


自分は、車でAZMを次の試合会場に送らなければならず、
FCT5の試合を最後まで見ることはできなかった。

さすがに決勝戦、なかなか点の入らない
緊張感の高い、こちらも好ゲームのようだった。









あとで聞いたのだが、FCT5は準優勝で終わった。



この試合、笛を吹いていたのは
AZMの出したAKコーチ。
主審として全く問題のない人だ。


が、0−0の後半終了間際のこと。

この試合も延長戦突入か? と思われたその時。
終了の笛とほぼ同時に相手チームのシュートがゴール・イン。
笛の音でFCT5のGK君が、一瞬緊張をほどいてしまったのだ。

このゴールが認められて
ある意味、ものすごく劇的な負け方をFCT5は経験したという。




・・・・AKコーチは、ダッシュでスタンドを去ったんじゃないのかな。
あのリキの入ったお母さん応援団の前を
フツーには歩けなかったに違いない(笑)。

















応援してくれたみなさん、
審判や日程のヤリクリで労をとって下さったみなさん、
これまでにYたちを直接ご指導下さったコーチのみなさん、






こんな場所でつぶやいてもなんですが、

改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました。





















2005/11/21(月) 初の王座転落

 
 
 
 
 
 
 
 
 
11月半ばで、地元のママさん8人制サッカー・リーグ
3期目のシーズンが終わった。




3期目は、途中で新しく3チームが加わって
全10チームで総当たり戦をやった。
2回ずつ対戦し、各チームが18試合をこなすのに
1年以上かかってしまった。


が、別に1年以内に終えなくてはならない理由もない。

終わるときに終わるサ、というノリで
月に1〜2回ずつ、2〜4試合をこなして
やっと長いシーズンを終えたのが今月だったのだ。






今期、われらがSFMは終盤まで1敗もしていなかったが、
VASというチームもまた負けておらず
引き分けの少ないあちらが1位で推移していた。

ところが、VASのチーム・リーダーであるS山ちゃんが
ヒザを壊して出られなくなってから、勝てなくなってしまった。

SFM逆転優勝の可能性が、のこり2試合の終盤になって
出てきたのだった。






ところがところが。

勝てそうな相手に、1人少ない7人で挑んだため
初黒星をくらい、
さらに絶対勝てそうな相手に、ガチガチに守られて
引き分けてしまったSFM。




おかげで、本人たちが知らないうちに
タナボタ的にVASが優勝する、という
盛り上がらない結末になってしまったのだった。












まぁ、どこのチームも(自分たちでさえ)
SFMの3連覇はちょっとやりすぎ、みたいなところがあって
期せずしてだが、空気を読んで準優勝に収まった面もある。

特に、S山ちゃんには
自分もダンナさんも、練習会でだいぶ世話になっているので
彼女のチームが優勝しても、イヤな気持ちにはならない。













・・・・が、しかし、だ。





負けて優勝を逃すこと自体は、とても悔しいことだ。

しかも、その負け方がよくなかった。












最終節。


こちらは、8人ギリギリではあったが
メンバーは揃っていた。

ところが相手は、5人しかいなかった。



リーグの規定で
(基本的に勝敗を争う目的で成り立っているリーグではなく
 お母さん方が友好的にサッカーを楽しむ場所なので)
人数割れしても、正規メンバーが5人いるなら試合は成立、
リーグ内の他チームから2人以内の助っ人を借りて
7人で対戦することが認められている。


相手も、その試合にリーグ優勝がかかっている、と知り
不戦敗ではあまりにも情けないので
ムリに5人を集めたらしかった。
そして、リーグ内にそれ以上はない最強の助っ人を2人
入れてきた。


東京が、よく10人の相手に勝てなかったりしたが、
それと同じ状況になってしまった。
1人少ない相手チームが、守りを固めに固めてきたのだ。




引きまくりの相手に、SFMは攻め続けた。
日没と試合数の都合で10分ハーフに縮められた試合時間の中で、
いったい何本のシュートを放ったことだろう。







自分は前半は(ジャンケンに負けたので)キーパーだった。
仕事はなかった。

同じくジャンケンに負けたJJちゃんが後半のGK。
彼女が前半に務めていたポジションに、そのまま入る。



初めて、FWをやらされた(苦笑)。








フットサルやミニゲーム以外の、サッカーの試合で
キック・オフをするのは生まれて初めてだった(笑)。


それはそれで、ちょっとオモシロかった。
が、急づくろいのFWに何ができるでもない。


3〜4本、シュートを蹴った。
あんなにゴールは広く、キーパーも初心者っぽいのに
どうしてだか彼女のところにボールは飛んでいくんだよなぁ・・・・。




ところで、急づくろいの10分間FWの3〜4本よりも
もっと深刻な人がいた。

定位置のトップ下にいたHYちゃんだ。




前後半で合計20分の間に、約20本のシュートを撃って
なんと1本も決めることができなかったのだ(苦笑)!!















みごとなまでにドツボにハマった彼女は
相当、落ち込んでいた。
















でもまぁ、そこで彼女がハットトリックとかして
機嫌よくなりすぎてしまうのも、どうかな〜と思うことにした。


HYちゃんにはすまないが、
地元8人制での悔しさを、全国大会ではらしてくれ、と。





本人にそう言ったら、「オニ!」と怒られた(笑)。






5日後に控える全国大会。
042の主力メンバーとして、HYちゃんには
活躍してもらわなくてはならない。



そして、
急づくろいながら、FWとして後半のキック・オフをやってみた
自分のその経験にもまた、
思わぬ使い途があるとはこの時の自分には予測できなかった。














勝てる試合を落として優勝を逃す、という
モヤモヤした気持ちを振り払うように

HYちゃん、MNちゃん、自分の3人は
清水行きの旅支度を始めたのだった。




















[] [index] [] [new] [top]
Akiary v.0.51